【鏡】あなたを助けてくれる人
※画像:ナポレオンとジョセフィンの戴冠式・ノートルダム寺院/作:ジャック=ルイ・ダヴィッド/ライセンス:DMCA/出典:Wallpaperbetter
かけがえのないものは見えない
「一生もの」というのは、友だちにしろ、クライアントにしろ、あなたが困難な状況(逆境)の時に、彼らの成功を自分のことのように心から祝福できる人のことを指すのですが、画家・ジャック=ルイ・ダヴィッドはそれが叶わない人でした。
ナポレオンの首席画家でも十分な収入がもらえるわけではなく、それでも帝国の美術行政全般に関わることを求めていた彼に対し、ナポレオンは、絵を描くことと都市計画だけ関与させていたので、二人の心理的距離は埋まりませんでした。
収入の少なかったダヴィッドは、絵の展示料を徴収し、貯めたお金で農園を開くと、今度は金銭面で悪評が立ちました。
コミュニケーション能力も短気な性格が災いして、牢獄に入ったこともありましたが、ナポレオン敗北後、妻と亡命した以降は、ベルギーのブリュッセルで絵画を販売、弟子にも恵まれ、経済的にも精神的にも満ちた老年だったそうです。(77歳没)
たとえば、無一文のあなたが心から祝福できる、100万の臨時収入があった人。
独身のあなたが心から祝福できる、結婚して子供が生まれた人。
倒産したあなたが心から祝福できる、売上150%達成した人。
困難なときのあなたが心から喜べる「幸せな人」は誰ですか?
あなたがどん底の時でも祝福できる「幸せな人」は誰ですか?
その中に、困難なあなたを助けてくれる人がいます。
その人こそ、「一生もの」だと言えるのです。
私たちは、助けてくれる人を求めているようで、実は、そういうかけがえのない存在が自分にいると思えることを求めているんですね。
助けてくれることは、メリット(ご利益)です。
助けてくれる存在が自分にいると思えることは、ベネフィット(便益)です。
私たちは、利益を求めているようで、実は、便益を欲しています。
メリットは何かを得ることそのものですが、自分を奮起させたり、頑張ろうと思わせてくれるのは、ベネフィット(便益)です。
あなたやあなたの何かを利用してもらって得る報酬はメリット、あなた自身がその人に必要とされることはベネフィット。
相手から見たら、得るものがメリット、メリットで得る感情がベネフィット。
あなたの価値は、メリットではなくベネフィットで決まります。
山本真弓